【写真】碧の天国 【ネモフィラ】
青の中に混ざる赤い花を映らないようにした。
人々は赤いそのポピーのような花を
美しいコントラストのためにファインダーへ切り取る。
もとよりあの赤い花はナガミヒナゲシと呼ばれ
外来種で繁殖力の強いものとして危険視する人もいる。抜いたとて種よりまた広がるので
早急に対処しなければならない。
ネモフィラが負けてしまうのではと私は懸念した。特に詳しい訳ではなくただの雑学として知っていただけではあるので、心配しなくても良いのかもしれないけれど。
青に混ざる赤い花を個性と捉えるのか
異物と捉えるのか 何が正しいか分からなかった
それは自分の知識不足でもあり
自分の考えそもそもに違和感を持ち続けているから 綺麗な天のような青に混ざる赤い花を美しいとおもう心が美しいのか
この私の懸念が花のためを思っている美談なのか 大多数にまじれない自分に違和感を感じた。
花を見て美しいと思えど
花について知ろうとしているのか
花をファインダーに納めて 時間を止め
思い出と共に美しいままにして
その先を考えてみることが多少 自分自身が鬱陶しく感じた。
百合の匂いがかすかに残る
ここは元が百合園だったのだと分かる
咲き誇る百合の匂いに意識が眩んだことを憶えている
咲き誇る百合の行方も気になった
あの日の思い出を思い出すとは思わず
上塗りされた碧でまた思い出を塗りつぶす
赤の斑点が自分の雑念のように思えた